7.5万のスマホを実質7000円で買った話[Xiaomi 13T]
1:転売ヤーへの「あこがれ」
「厄介者」としてたびたび話題になる転売ヤー。もちろん褒められたものではありませんが、その中でも「ケーコジ」と呼ばれる最新のスマートフォンをあり得ないような割引率で購入して儲けている人には「最新スマホが格安で手に入っていいなぁ~」というあこがれがあり、一度まねごとをやってみたいと思っていました。
そんな折にXでこちらのkyon(@kyon_sun)さんのPostを発見(なんか誤解を生みそうですが、この方は転売ヤーではありません)。
利用規約のところに回線契約の有無は問いませんの文言確認!
— kyon 🥽 (@kyon_sun) December 8, 2023
UQの契約アリで一括換算1840円
端末単体でも換算23840円って解釈で良さそう!!
Xiaomi 13Tアツすぎ https://t.co/T8bbVUMrXF pic.twitter.com/JmKwalOx1I
なんと、12/8に発売されたばかりの定価74800円の最新スマホが実質1840円で購入でき、しかも最近よくある2年後返却などの条件もないとのこと、これはあまりにもアツい。しかもこれを逃すと来年から規制強化で2年後返却ありの案件しかなくなるかもしれないとのことで翌日の朝イチで購入しに行くことを即断。こうして私の最初で最後の1日ケーコジ体験イベントが始まりました。
なお、この辺の割引の仕組みとその不健全さは以下の山dさんの動画が非常にわかりやすいです。ここから店員とのバトルの様子を振り返っていきますが、そもそもなんでバトルになるのかという理由もこの動画からわかります。
まあ、簡単に言うと今回の記事のような方法をされると代理店が大損するので嫌がられるということです。何で7万のスマホが数千円で買えるのか、それは客寄せのために代理店が差額を被っているだけであって、そこに何か魔法のようなカラクリがあるわけではないからです。
2:単体購入のハードルは店員の説得「ではない」
本題に入る前に、今回の案件の詳細を整理しておきます。今回、7万のスマホが数千円になるカラクリはこんな感じになっています(割引の正式名称は忘れたから説明用に適当に付けています)。
- 端末本体価格:74800円
- 機種限定値引き:-42960円
- 乗り換え/対象プラン限定値引き:-22000円
- キャッシュバックキャンペーン:-8000円
- 契約事務手数料:3850円
- 月額使用料(1カ月分):1268円
- 計:6958円
ここで重要なのは、法律で契約とセットでのスマホの割引上限は22000円となっているので、逆に言えばその上にある「機種限定値引き」のほうは契約とセットになっていないということ。これによって割引の上限規制をかいくぐっているわけですが、結果としてこの割引はスマホ単体で購入しても適用され、4万円以上の割引が受けられてしまうことになります。しかもキャッシュバックキャンペーンも受けられるので、契約とかが一切なく7万のスマホが実質2万円台で買えてしまうという意味不明な状態になっています。こういう売り方を「移動機物品販売」とか言ったりするらしいですが、当然契約も何もなく数万円を割り引くことになるので、売る側としては大損になってしまうため、単体購入は**「在庫がない」「対応するスタッフがいない」と嘘をつかれて避けられると言われています。筆者は単に契約を増やしたくないのと店員の心を追ってみたい**という気持ちからまずはこの「移動機物品販売」にチャレンジすることに。
1回戦:近所のヤマダ電機
移動機物品販売はいわゆるケータイショップでもできるわけですが、家電量販店のほうがハードルが低いとの情報があったのでまずは近所のやや小規模なヤマダ電機へ行きました。
そして、お目当ての13Tが噂通りの割引額で売られているのを発見、すると速攻で店員が声をかけてきたのでまず「乗り換えようか迷っているのですがこの機種の在庫はありますか?」と尋ねました。乗り換えをほのめかすことで在庫隠しを防ぎつつ、在庫があるとの証言を得るためです。ここで無事「在庫がある」との確認がとれ、ブースに案内されました。
ここから乗り換えの案内が始まるのですが、どうせ乗り換えないのであんまり長引かせるのも失礼(今更)とのことで家族とチャットで連絡するふりをして、「家族から乗り換えはダメだと言われたのでやっぱり単体で買いたい」と伝えました。すると、「新規契約でも安くなるよ」ということで新規契約を勧めてきました。それを断って「単体で買いたい」と使えると「契約したほうが割引が大きくなるので月額を考えてもお客さんは絶対損しないですよ~」と完全に山dさんが動画でおっしゃっていたのと同じ方法で勧誘を続け、挙句の果てには「すぐに解約しても大丈夫」とかそれをお前が言っちゃダメだろというようなことまで言い始めましたがこれに対して「確かにお得なのはわかるが私は契約を増やしたくないという『こだわり』があるからそれでも単体で買いたい」と明言し、10秒くらい黙っていたら「契約したほうが絶対得なのに、残念です…」と言いながら単体購入で手続きを始めてくれました(心底残念そうでしたが、ノルマとか上司からの叱責とかを考えればある意味本当に残念だったんでしょう)。こうして私の移動機販売は一発目にして勝利…のはずだったんですが、ここから思わぬ罠が待ち受けていました。
それは分割審査。転売ヤー対策でこういう割引は分割払いじゃないと購入できない(後で書くように割とすぐ一括清算できるので意味はなさそう)のですが、筆者は学生であり、しかもクレジットカードを持っていないのでそもそも信用情報がないという状態です。しかも単体購入というキャリアが嫌がる買い方なのでまさかの分割審査NGで購入不可。審査NG理由は不明なのでどうしようもありません。というわけで勝ったけど負けたというなんか悔しい感じで帰宅。
2回戦:渋谷のヤマダ電機
これだとなんか悔しい、あと支払い用カードとしてキャッシュカードではなくデビットカードを出したのがよくなかったんじゃないかと思い2店舗目(渋谷にある割と大型のヤマダ電機)に挑むことに。そもそも1店舗目では不可NGの画面を見せてくれなかったので疑っていたというのもあります。1店舗目は「典型的なキャリアショップ店員」という感じでしたが、2店舗目で対応してくださった方はおそらく海外出身の非常に誠実な感じの方で、隣のブースでなんかもめている中単体購入に対して特に嫌がることなく淡々と手続きを進めてくれました。そして、今回は別の口座のキャッシュカードを提示したのですが結果としては審査NG。しっかり審査NGの画面も見せてくれましたし、わざと悪い情報を上げている感じもなかったのでおそらくそもそもクレヒスがないと通らないと判断しました、つまり詰みです。
3回戦:新宿のヤマダ電機
もうこうなったら逆にCDショップで散財してやろうか、とかいう本末転倒なことを考えながら新宿に向かいました(あとマップカメラに行きたかった)。ここでカメラの買取査定を待っている間、新宿駅周辺の家電量販店を迷子になりながら巡回しているうちに契約をすれば審査に通るんじゃないかと思いました。現在、いわゆる「2年縛り」のような方法は禁止になったのでいつでも解約金なしで解約できますし、もうここまで来たら引き返せないのでいっそ契約してやろうと。というわけでそのまま新宿のヤマダ電機へ(なお、ヨドバシとビックカメラでは割引がショボかった)。
基本、こういう割引は乗り換えじゃないとつかないのですが、ポップを見ているとU22限定契約の新規でも適用可能と記載があり、そして筆者はあと2週間くらいで23歳でギリ22歳という奇跡的な状況。これはもうやるしかない、ということでその場で速攻で契約してやりました。そして分割審査の結果は…
審査、通りました。
というわけで無事7万のスマホを実質7000円くらいで買えたわけですが、これってつまり単体購入の審査をめっちゃ厳しくすることで実質的に買えなくしてるんじゃないかと疑ってしまいます。もちろん推測でしかありませんが、「審査基準はお答えできません」なのでもしそうだったとしてもバレないわけですから。まあ、単体購入よりも安く買えたんでヨシとはしますが、なんかモヤモヤする結果となりました。ちなみに、docomoの物理simを使いたかったのでesimで契約してもらいました。
3:解約も一括清算もオンラインでOK
私はスマホをほとんど使わないのでレビューはもうしないですが、Xiaomi 13Tの印象としては
- au系のアプリを普通にアンインストールできる(最高)
- カメラ部分がデカくて出っ張っているのが嫌(手ぶれ補正もついていて画質はいい)
- 画面内指紋認証否定派だったけど一度使うとめっちゃ便利
- 分厚い・重いけどホールド感は悪くない
- 裏面のレザーの質感がいいけどケースをつけると無意味
- 地域設定を変更してもシャッター音を消せない
特にMi11ではできたシャッター音無効化ができないのは意外でしたが、音量は控えめなのでヨシとしましょう。au系アプリが容易に削除できて、対応バンドも多いのでほぼsimフリー機として使えます(ちなみに私はdocomoユーザー)。なんといっても今持っているスマホを売れば実質無料なわけですから、何も文句はないです。
ちなみに、分割払いの一括清算は翌日には設定できました、これで翌月には支払いがすべて完了します。転売対策とは何だったのか…(ネットワーク利用制限が〇になるのかは不明)
また、解約もweb上から割と簡単にできるみたいなので安心しました。なお、短期間に解約すると同じ携帯電話会社ではしばらく契約できなくなるとのうわさがありますが、特にauで契約する予定はないので問題ないです。先ほども書いた通り違約金が発生したり、割引が無効になったりすることもないので心配の必要はないでしょう。
4:まとめと炎上対策(?)
今回のような極端な割引は来年から法改正でなくなる可能性がありますが、今回のケースから移動機物品販売を攻略するための教訓として
- 「家族にダメと言われた」は言い返せなくなるので強い
- 端末単体購入の審査は意図的に厳しくされている可能性が高い
- 解約金がなくなった今となっては契約してでも手に入れるほうがお得
この3つが得られました。というわけで皆さんも家電量販店で良い「案件」を見つけた時はチャレンジしてみてはいかがでしょうか…
…と、ここまで書いて思ったんですが、この記事って著名な人・メディアが書いたら炎上する気がします。まあ、そういうことも気にせず書けるからこそ個人ブログを運営しているわけですが、こういう買い方がいいのかという議論に対する私の意見は
一切の規約違反は犯していないし、そもそも携帯電話業界がめちゃくちゃな割引をしているのが悪いんだからお互い様でしょ。
以上です。