ウォークマン改造ファームが最高だけどグレー
1:なんか物足りないWM-A30
筆者は、NW-A30を発売直後に購入し、ずっと愛用してきました。しかしながら、最近の機種はUSB-DACとかBluetoothレシーバーといった機能が追加され、 いいな~ なんて思っていたわけです。そんな中、たまたまYouTubeでこんな動画を発見しました。
Techmoanはチャンネル登録者100万人越えの古参YouTubeチャンネルで、そこでWalkmanの改造ファームウェアについて紹介されていました(どうでもいいけどイギリス英語って聞き流しているとなんか落ち着きます。リスニングで出てきたら嫌だけど)。彼は私より新しいNW-A55に改造ファームをインストールする様子を紹介していたのですが、NW-A30にもこの改造ファームが使えるということで試してみたらこれが最高だったけれども法的にグレーだったという話です。
注意
本題に入る前に、この手の記事ではお決まりの文言を入れておきましょう。今回扱う内容は改造なので、万が一この記事の内容に従って何か不利益が生じても一切の責任は負いかねますのでご注意ください。特に、改造ファームは今回のように法的にあやしい可能性やウィルスに感染している可能性も十分にありますので注意してください。後、ファーム書き換えに失敗するとたぶん文鎮化します。
2:2万円が80万円相当に?
改造ファームは、開発者であるMrWalkmanさんのサイトで寄付歓迎にて無料配布されています。MrWalkmanということは「歩く人さん」ってことになるのか…
そのページには追加される機能と削除される機能が紹介されていて、NW-A30シリーズの場合は大方こんな感じです。
追加される機能
- 音質がDMP-Z1っぽくなる
- DSEE AIが使えるようになる
- プログレッシブJPEGとインタレースPNGのアートワークが表示できるようになる
- Bluetoothレシーバー機能が追加される
- USB DAC機能が追加される
- 10バンドイコライザーが追加される
- トーンコントロール機能が追加される
- DCフェーズリニアライザーに6つのモードが追加される
- バイナル(Vinyl、つまりレコード)プロセッサーが追加される
- オーディオビジュアライザーが追加される
- Clear Audio+の代わりにダイレクトサウンドモードが追加される。
と、まあ機能盛りだくさんです。で、一番最初にDMP-Z1という単語が出てきていることからわかるように、このファームウェアは80万円のDAP、DMP-Z1を基にして作られれているっぽいです。考え方によっては2万円ウォークマンを80万円に近づけることができるわけだからめちゃお得です。さらに、私が実際に試した感じでは
- aptX/aptX HDへの対応
- レスポンスの改善(若干)
- UIの改善(音量調節がしやすくなった)
といったメリットもありました。個人的にはaptXに対応したのが嬉しい。ただし、DMP-Z1にはない機能は失われるので注意が必要です。失われる機能としては
- ラジオ
- ノイキャン
- VPTサラウンド
- NFC
- 語学学習
以上5つがあげられています。ノイキャンがなくなっちゃうのかって感じですが、これはワイヤードイヤホンでのノイキャンであってBluetoothイヤホンのノイキャンのように、イヤホン側で処理を行うものは影響を受けないと思います(試せないけど)。後、語学学習とFMラジオは一時期使いまくっていただけにちょっと惜しいです。まあ、これだけの機能がタタで手に入ると考えれば最強です。
3:インストールは(ちょっと怖いけど)簡単
では、インストールしていきましょう。まずはMrWalkmanさんのサイトから自分が使っているWalkmanを選択し、下のほうにあるDOWNLOADリンクをクリックします。
すると、思いっきりGoogleドライブな感じになるので、右上のダウンロードボタンから全てのファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、4つのexeファイルが表示されますが、まずは**DMP-〇〇〇(型番)**を実行します。ちなみに、StockRevertを使うことで元に戻すこともできます。
実行時に危ないからやめとけみたいなメッセージが出ますが、構わず「詳細情報」をクリックして「実行」を押しましょう(自己責任で)。
後は、ウォークマンを接続して2,3回クリックし、しばらく放置するだけで完了です。通常のファームウェアアップデートと同じようにインストールされます。ただし、内臓ストレージに入っている曲は設定もろとも吹き飛ぶので注意してください。アップデートは5分ちょいくらいかかりました。簡単ですが、失敗すると文鎮化する危険性があるので微妙に緊張しました。
インストールが終了したら、次にext_tuningというのをインストールします。こっちも手順は同じで、さっきほど時間はかかりませんでした。これで改造ファームのインストールは全て終了です。
4:いろいろ増えてる
初期設定を終わらせると、ホーム画面が表示されました。まず、ちょっと色が変わりました。後、上部と下部にボタンが追加されました。上のボタンは左から順にUSB-DACとBluetoothレシーバーです。下のボタンはリピート・シャッフルの設定で、以前はメニューを開かないといけなかったんですがワンタップで設定できるようになりました。
USB-DAC
USB-DAC機能はハイレゾにも対応していて、なかなか便利そうです。上にはレベルメーター、中央には大きな音量調節ダイヤルと使い勝手も良好です。ちなみに、私はハイレゾ否定派です。でもDSDネイティヴは一度聴いてみたい。
Bluetoothレシーバー
Bluetoothレシーバー機能は、特に目立った特徴はありませんが普通に使えます。手持ちの有線イヤホンを高音質かつ手軽にBluetooth化できます。
再生画面
再生画面は、ビジュアライザーが使えるようになっています。また、シークバーに丸ポチが付いて視認性・操作性が上がりました。クソどうでもいいんだけど、松浦亜弥の曲タイトルに使われている「ハートの絵文字」を表示できない点は健在です。これを表示できるデバイスってかなり限られてるんですが、つんくさんはそこまで考えなかったんですかね…
音質関連
音質関連では、レコードのような音質を再現するというバイナルプロセッサーなるものが追加されていたり(どうしても頭の中で「Vinyl」と「ビニール」と「レコード」の3つが繋がらない)
DCフェーズリニアライザーの設定が増えていたりと音質関連の機能も満載です。そのほか、DSEEも強化されていたり、イコライザーの代わりにトーンコントロールが使えたりします。ちなみに、このDCフェーズリニアライザーは要はカップリングコンデンサーをエミュレートするわけだけど、これが意外といい感じで私はカップリングコンデンサー否定派を卒業しました。
個人的にはaptXとaptX HDに対応したのが結構高評価です。今までLDACとかいう囲い込み用の規格しか使えなかったので。
5:懸念点
割と長い間使用してみましたが動作がおかしいこともないですし、何より機能が増えて最高なんですが一つ懸念点があります。それは技適の表示まで変わっているという点です。おそらくこれはDMP-Z1用の表示だと思います。また、そもそも改造ファームをネットに上げていいのかという疑問もあります。要は法的にグレーってことです。まあ海外だからいいか…