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駆け出しエンジニアの雑記

道は推せるうちに推せ:県道515号三井相模湖線

今回は、神奈川県の津久井湖畔に存在する、最大幅制限1.7mの極めて狭隘な道であり、2020年より土砂崩れで全線通行止め が続いている県道515号三井相模湖線を見に行く記事です。

単に危ないという理由と、コンプライアンスの問題から通行止め突破はしなかったので今回の記事は通行止めと最大幅制限の看板を見に行くだけという内容になっていますが、個人的には結構満足する内容だったので記事にしました。まだ一部区間が通行可能であった頃の三井相模湖線の情報については、偉大なるオブローダー「ヨッキれん」氏のレポートにて確認できるのでぜひ。

相模湖といえばロー〇ルA棟

相模湖駅

津久井湖は公共交通機関だとバスでアクセスすることになりますが、今回は現地での移動手段を確保するために久しぶりに輪行袋に入れた自転車を持って相模湖駅に向かいました。なお、寝坊により昼前の出発となったのでなかなかに暑かったです。

相模湖
ロー〇ルA棟を探せ

以前、筆者は相模湖廃墟巡りを実施したことがあるので相模湖は軽く眺める程度としましたが、相模湖一のランドマークであるロー〇ルA棟は確認しておきました。ちなみに、駅前のやべぇド〇えもん像があることで有名だったボウリング場廃墟は解体されて消滅していました。

弁天橋

道中、吊り橋があったので寄ってみました。

弁天橋 ケーブル

観光用の橋らしく、使用されているケーブルの展示までありましたが、橋までの道が極めて急な坂だったのでただただ体力を消費しただけな感じもありました。

圧巻の通行止め表示

三井相模湖線は赤馬(あこうま)地区と名手(なで)地区を結ぶ区間と、名手地区と三井地区を結ぶ区間に2分され、その両方が通行止めになっています。まずはもっとも西側の通行止めポイントである赤馬地区の始点を見に行きます。

桂橋

まずは桂橋を渡って赤馬地区に入ります。

赤馬地区 看板
後から貼った感じもない

なお、赤馬ー名手間はかなり昔から通行止めが続いているらしく、赤馬地区に入った時点で通行止め表示が多数見られます。

赤馬地区

交差点を通行止めの方向に曲がり、しばらく進むと自動車で来たら絶望する道幅になりますが、通行止め区間はまだ先です。

赤馬地区 通行止め表示2
絶対に通さない気迫

すでに狭隘な道をしばらく進むと、突如として道の規模にそぐわない巨大な規制表示器3重の通行止め看板が出現します。

赤馬地区 通行止め表示2-2
たぶん夜でもランプは光らない

表示器や看板自体は特別なものではありませんが、細い道を進んでいて突如このサイズの看板が目に飛び込んできた時の迫力はなかなかのものでした。正直、来た甲斐があったとさえ思えました。ただ、真横が民家なので写真撮影には若干の緊張を伴いましたが。

赤馬地区 通行止め表示2-3

いちおう通行止めのバーはありますが、上がったままです。というのも、この先にまだ民家があるので下げるわけにはいかないのだと思いますが、じゃあなんでここにバーを作ったのかという謎が残ります。家が先か、バーが先か…

赤馬地区 通行止め点手前の砂防ダム

通行止め点はまだ先なので進みます。民家があるので途中の道は細いながらも最近になって整備された形跡もありきれいです。

赤馬地区 通行止め点直前
やけに大きい待避所表示

しかし、最後の民家を過ぎるともはや廃道となります。

赤馬地区 通行止め点

そして、間もなくバリケードが出現し、通行止めとなります。

赤馬地区 通行止め点の先

自然に還りつつあるせいで、ただでさえ狭い道がさらに狭くなっています。

赤馬地区 通行止め点の先にある看板

あと、写真を編集していて気になったんですが、この看板についている2つの傷ってなんか弾痕っぽくないですか、詳しい人に聞いてみたい…

細い橋1本でつながる名手地区

次は、三井相模湖線の中間に位置する集落である名手(なで)地区の通行止めを確認しに行きます。

その前に、道中にあったので「幻の水没ダム」こと沼本ダムを見に行きました。

沼本ダム

このダムは、接近が難しいのでもはや「なんかあるな」くらいしか確認できませんでした。また、対岸には三井相模線が通っているはずなんですが、もはや完全に木に埋もれてわからないですね。

この辺で30℃超えの気温と日々の運動不足により体力が限界に近づいたので、幹線道路沿いにあった某チェーン店で例の「フリスビー丼」とラムネシェイクを摂取し、栄養補給と体の冷却を行いました。というわけで、改めて名手地区を目指します。

名手地区へ向かう道は3本あるのですが、うち2本が三井相模線なので現在は名手橋で津久井市街から向かうルートのみとなっています。

名手橋

そして、名手橋もセンターラインなしの広いとは言えない橋であり、ちょっと心もとない状況となっています。

名手橋 通行止め表示
既に通行止め表示

「ヨッキれん」氏のレポートによれば、三井相模線は道幅の割には交通量が多かったようですが、その理由もうかがえます。

名手地区

名手地区は割と戸数も多く、三井相模線は重要な生活道路だったんだろうなと感じます。この道を進み、左に行けば通行止め、右に行っても通行止めなわけですが、まずは右(名手ー三井区間)から見に行くことに。

名手地区からの景色

そもそも三井相模線が狭隘な道となっている理由は急峻な地形にあるわけですが、だからこそ名手地区からの眺めは素晴らしかったです。

名手地区 通行止め表示

景色を眺めながらしばらく名手地区を進むと、通行止め表示が現れます。こちらの区間は割合最近(といっても2020年)から通行止めになっている関係からか、電光掲示板が動作していました。あと、電光掲示板の横には時間雨量20mm以上で通行止めになると書かれていますが、20mmって夕立程度じゃないですかね。

名手地区 車幅制限
絶望的な車幅制限

そして、通行止め表示のすぐ先には驚異の車幅1.7m制限が出現します。何よりも目立っているのが絶対に1.7mを超える車を通さない意思を感じる2本のバーですよね。自転車ユーザーの筆者は今ひとつピンと来なかったのですが、1.7mってコンパクトカーでもOUTですね。

名手地区 バリケード

車幅制限標識から少し進むと、同じくバリケードが出現して通行止めとなります。この先に鉄塔巡視路がある関係か、何らかの電気工事が行われているようでした。

名手地区 通行止め地点2

名手地区にあるもう一方の通行止め地点はこんな感じでバーが下りていました。徒歩であればバーの横を簡単に通り抜けることはできますが、すぐ先に同様にバリケードが確認できたのでここまでとしました。

名手橋から名手地区を望む
矢印の位置が通行止め地点

名手地区からの帰り道、名手橋から三井相模線がある場所を眺めてみたのですが、まったく分からなかったです。そして、急な斜面に道が作られていることがよくわかります。

とりあえず山に登る

本当は三井地区の通行止め点も見に行くつもりだったのですが、体力的に限界が近いのと、すでに満足したことを勘案してそれは中止としました。何よりここから約6.5km先の橋本駅が最寄り駅なので、体力を温存する必要があります。

というわけで、津久井湖城山公園内にある城山に登ることにしました。

城山 登山道

「大した事ないだろう」と思っていたら、意外と急で大変でした。

城山 山頂からの景色

眺めはよかったですが、もはや「暑い」「疲れた」という感想しかなかったです。

津久井湖観光センター

下山後は津久井湖観光センターの売店に立ち寄りました。この売店、飲料が目の前にある自販機より安価に販売されていて素晴らしかったです。あと「粉末の緑茶ほしいな」と思っていたらちょうど販売されていたので購入しました。

城山ダム展望台からの眺め

ここから自転車で橋本駅まで行き、帰宅したわけですが、道中にあった城山ダム展望台に期待せずに立ち寄ったら城山ダムの堤体と、その上に道路が通っている様子が一望できて壮観でした。

総評

今回は「通行止めを見に行く」という何とも謎な旅でしたが、細い道に突如出現する巨大な通行止め表示や、絶望的な道幅1.7m制限など、印象的なものを見ることができて満足する旅となりました。

一方で「まあいつか行けばいいや」という先延ばし癖により、実際に道を通行することはできなかったので、その点については後悔しかないです。

筆者は昨年に静岡県の大崩海岸を見に行ったのですが、その道も今や一部通行止めですし、今回の通行止めが解除される日が来るのかは正直怪しいと思います。それ以外にもいつか行こうと思っていて二度と行くことができなくなった道もちらほら存在します。

筆者は「廃墟・廃道の良さは人間と自然環境とのせめぎあいであり、人間が自然環境に屈する様が美しい」と思っているのですが、そのせめぎあいは長くは持たないので、これからは積極的に各地を訪問していきたいですね。

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