EPSONのカートリッジに「純正インク」を詰め替える
昨年プリンターを買い換えたらめっちゃインクが小さかったのですが(5mLしか入っていないらしい)、かといってせっかくなら純正インクによる印刷品質を保ちたいので互換インクは使いたくない、そこで私が思ったことが…
この画像を見ると何をしようとしているのかわかるかと思いますが、EPSONのエコタンク搭載モデル向けインクボトルから詰め替えれば純正インクを詰め替えることができるのではないかと。しかも、後述しますがこのカメKAMシリーズのカートリッジは詰め替えが簡単な構造になっているのでこれはもう詰め替えるしかないでしょう。
エコタンクモデルはプリンターのインクタンクにボトルから直接インクを補充することでランニングコストを下げることができるモデルですが、この補充ボトルを買えば低価格で大量の純正インクが入手できるので、そこから純正カートリッジに詰め替えてやれば純正品質と低コストを両立できるのではないかというわけです。そこで今回は、EPSONの純正インクカートリッジ(カメKAMシリーズ)に、純正インクを詰め替える話です。
SDSからまったく同じインクを探せ
やろうとしていることは単純で、必要なものは
- 詰め替えたいカートリッジと同じ色のインクボトル
- カートリッジのICチップをリセットするリセッター
- カートリッジにインクを注入するためのスポイト
この3つだけなんですが、今回の目標は純正の印刷品質の維持なので、インクカートリッジに入っているインクとまったく同じインクが使われたインクボトルを探す必要があります。
一口にインクと言っても染料/顔料とかブラック/フォトブラックとかいろいろあるので、果たして同じ成分なのかをどうやって調査しようかとネットで調べているとSDSを調べればよいということを知りました。
SDSというのは安全データシートの略称で、製品中に含まれる化学物質に関する情報を、安全のために提供するものです。逆に、これを使えばどのインクボトルと同じ成分を持っているかを明らかにできます。もちろん、まったく同じという保証はありませんが。
EPSONが公開しているSDSを使用して調査した結果、私のプリンター(EP-885)では以下のことがわかりました。
- 染料インク搭載のエコタンクモデルと同じ成分
- 黒はエコタンクモデルのフォトブラックと同じ成分
この結果は型番がEPから始まる多くの家庭用プリンターで同様だと予想されます。
以上の結果からエコタンクモデルの染料・フォトブラックインク搭載モデル向けインクボトルを買えばよいということがわかったので、その中で容量がちょうどいい感じで価格が安いという理由から以下のEW-M770向けボトルを選定しました。
エプソン 純正 インクボトル ハーモニカ HNA-PB フォトブラック 新品価格 |
こいつは70mL入りなので詰め替え14回分に相当し、これが約1000円で購入できるわけですからお得です。しかしながら、エコタンクモデルにはライトシアン/ライトマゼンタが存在しないので、この2色についてはあきらめるしかないです。
リセッターにリミッター?
次に、インクカートリッジのインク残量を記録しているICチップをリセットするためのリセッターが必要になります。ITH/イチョウシリーズ向けのリセッターは入手性が高いのですが、割合新しいインクであるKAM/カメシリーズ向けのものはあまり入手性が良くないです。今回使用したのは以下の製品。
EPSON エプソン カメ(KAM)クマノミ(KUI)用リセッター(リミット100回) リインクオンラインショップ 新品価格 |
3000円以上しますし、何よりリセット回数に100回のリミットが設定されているのが気に食わないですが仕方ないです。インクカートリッジで儲けようというプリンターメーカーの策略に反抗する人が買う製品なのに、その製品になんか訳わからんリミッターが付いているという、こうなったらリセッターのリミッターリセッターを作ってやりたくなります。
詰め替え1回100円ちょい
詰め替え作業は割と簡単です。まずはリセッターに使用済みインクカートリッジを押し当ててICチップをリセットします。
次に、インクボトルからスポイトでインクを取り出します。スポイトは容量目盛りが付いていてある程度の長さがあれば何でもいけます。はじめはボトルの補充用の穴にスポイトを突っ込んで吸い上げようとしたのですがうまくいかず。
結局、ウォーターポンププライヤで「普通は取り外さないところ」を取り外すことに。ここが溶着とかされていたら詰んでいたのですが、ただのねじでした。
あとはスポイトを使って標準5mL/大容量7mLのインクをカートリッジ裏面の吸収体部分に垂らすだけで完了です。カメKAMシリーズは、穴あけ等を行わずインクを垂らすだけで詰め替えられるのでめっちゃ詰め替えが楽です。
これでプリンターにセットすると再びカートリッジを使用できます。ちなみに、ちゃんと非純正品警告は出ます。しかしながら、補充したインクは紛れのないEPSON純正インクというわけです。
リセッターが1回あたり32円、インクが5mLで70円くらい、スポイトは何本か入って110円なので、1回の詰め替えコストは100円ちょいです。この価格で純正インク品質が手に入るのはなかなかいいんじゃないでしょうか、詰め替えの手間を考えなければ。