タクテク2
昭和歌謡好き大学院生の雑記

エアロバイク型発電機の制作[第1回:構想]

1:エアロバイクはエネルギーの無駄遣い?

 環境保護が求められる昨今。様々な新エネルギーや高効率な電気機器が日夜研究されており、筆者も太陽光パネルを設置するなど興味を持っているわけですが、やはり最高のエネルギー変換効率を持つのは生体であると考えています(根拠なし)。また、筆者はエネルギーの無駄遣いが大嫌いな人間です。そんな中、数年前にサイクリングをしていて筆者はふと思いました。

サイクリングに使うエネルギー、無駄じゃない? このエネルギーを電気に変換出来たらめっちゃいいんじゃない?

と。もしそれが実現したら、筆者のような運動が嫌いな人でも 「発電できるから」というモチベーションで運動を続けられる気がしますし、しかも自宅で運動することができます。さらに、極めつけは 停電時でも我が身の体力がある限りは電気が使える わけです。「災害時に悠長にチャリ漕いでるヒマなんてないだろ」という意見もありそうですが、個人的には大規模災害で避難生活が長期にわたった場合はストレス解消のために運動することも必要であると本気で考えていたりします。
 というわけで、今回は エアロバイク型足漕ぎ式発電機を自作していこうと思います

2:コストを抑える

 先程、「要件定義」が終わりましたので次は「外部設計」です。システムの全体像としては床に置いて、別に用意したイスに腰かけて使うことを想定しています。本当は自転車用のイスを取り付けて装置自体に腰掛けられるようにしたいのですが、装置の小型化・簡素化をねらってこの構成にしました。

オルタネータ

 そして、コストを極力抑えるため特に大型部品や構造材は中古のものを使用します。まずは心臓部である発電機ですが、これは親に「小型のオルタネーター ちょうだい」と言ってもらったやつを使うのでタダです。かなり古いもので、品番とかは一切わかりませんが分解・再塗装がされている良品です。素性はよくわかりませんが農機具やエンジンコンプレッサーで使用されているみたいです。オルタネーターは中古でも割と高価なのでありがたい(小型のもので1万円くらい、大型のものだったら普通に20~30万円くらいする)。ただ、許容電流がわからないのでそこは心配です。

アングル

 さらに、構造材も実家に転がっていたものを数本勝手に持ってきたのでタダです。組み立てやすさの点からアルミフレームとかで作りたかったのですが、ここはコストのためにサビサビのアングルをフライスで削って使うことにします

ベルト

 ドライブ方式はベルトドライブとし、大径のプーリーを別途購入して増速する予定です。ベルトももちろんもらいものです。

MARY-MB

 また、制御装置としてはこちらも既存部品を使います。これは筆者が10年以上前に購入して放置していたマイコンボード、MARY-MBです。CQ出版の雑誌付録のやつで、別売りのOLEDディスプレイも購入してあって勿体なかったのでこちらを使います。極めつけに、最終的には鉛蓄電池に蓄電する予定ですが、鉛蓄電池も親にもらったやつを使います。

3:回路構成の検討

オルタネータ 背面

 次に、制御回路の基本設計を決定するためにオルタネーターの特性を確認します。このオルタネータは外側が回転子である永久磁石式同期発電機となっており、出力は交流です。それを最終的には鉛蓄電池に充電したいので、交流を直流に変換し、かつ電圧を一定にする必要があります。

オルタネータ 出力電圧

 このオルタネーターは本来エンジンの高速回転で使用するものですから、人力だと出力電圧は12Vより低くなると想定されます。実際、無負荷状態で手でブン回したところ最大値で5V以下でしたので昇圧回路が必要になります。ただし、今回は増速機を入れるので過電圧保護回路が必要になる、あるいは完璧を目指すのであればスイッチング素子を追加して昇降圧コンバータにする必要があるでしょう。

ブロック図

 整流回路は一般的なダイオードブリッジで構成し、その出力をそのまま昇圧チョッパに入れることで力率改善を狙います。そして、昇圧チョッパ出力を大容量コンデンサで平滑。この昇圧チョッパを汎用マイコンと独自のプログラムで制御することにより、鉛蓄電池の充電制御、および(人間への)負荷の設定を兼用させたいと思いますが、果たして人力というこのうえなく不安定なエネルギーを制御できるのか。基本的には太陽光発電システムの制御装置を基にすればよいとは思いますが、なかなか難易度は高そうです。この辺は次回以降、より厳密に検討していきます。

 現段階での懸念事項としては

 といった感じです。一体完成はいつになるのか全く見当がつきませんが、技術向上も兼ねて長期企画として頑張っていこうと思います。

Tags: