「ノー勉」(誇張表現)で電験三種を取得できたわけ
1:電気工事士とは一線を画す難易度
筆者は昨年夏に電験三種を取得したのですが、そういえばそれに関する記事を書いていなかったので今回は電験三種を「1教科は完全ノー勉」で取得した話をまとめてみようと思います。
筆者は高校生の時に第二種電気工事士の資格を取得しているのですが、これはあくまで電気工事に関する資格。電験三種は名前こそ似ているものの電気に関連する非常に広範な知識が要求され、一番簡単な三種でさえもかなり荷が重い試験となっています。
試験科目は
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
の4科目であり、「科目合格留保制度」といって一部科目の合格を次回試験に引き継げる制度が用意されているので一度に全科目を合格しなくても取得可能となっております。 それでも合格率は例年10%前後、しかもこれは科目合格留保制度で合格した人も含むので一発合格できた人は相当少ないと考えられます。
これが私が使用した教科書なんですが、1科目分だけで既に他の国家資格の教科書と同等の分量があるのにそれが4冊もあるわけです。正直なところ挑戦したくなかったですが、現在筆者は周囲に当たり前のように電験一種取得者がいる環境で過ごしているので、電気を専門とするなら取っておくべきだと受験を決意しました(「一種も取れるよ」とそそのかされたけどさすがに無理)。
2:試験で「ノー勉」で挑むこと
で、本題に入る前に早速ですが私の点数がこちら。
理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|
100 | 100 | 55 | 69 |
どういう勉強をしたのか一目見ただけで想像できるような点数となっていますが、実際に私がどんな感じで勉強したのかを教科ごとにまとめてみようと思います。ちなみに、学習にはこちらのオーム社の参考書4冊のみを使用し、過去問は試験センターのHPからダウンロードしました。
理論・電力:100点を目指しやすいが…
まずは「理論」と「電力」ですが、この2科目は計算問題が多いので100点を取ることは比較的容易だと思います。ただ、毎度のことなんですが合否しか出ない資格試験で100点を取るのは無駄ですから、筆者は明らかに理論と電力の勉強に時間をかけすぎたと言えるでしょう。まあ、理論で勉強した内容は電気に関する基礎的な内容なので様々な場面で役に立つでしょうし、理論の内容が理解できていないと他の科目の勉強が厳しいので理論を重点的に学習するのは悪くはないとは思いますが、私の場合は明らかに学習の優先順位をミスりました。
機械:学習時間15分(ガチ)で合格できたわけ
そして問題の「機械」。これは「理論」と「電力」に勉強時間をかけすぎたことと単純な私の怠惰が合わさり、科目合格留保制度の利用を視野に入れて当日の試験直前15分で軽くテキストを読んだだけで試験に挑みました。
しかしながら、筆者はいちおう電気電子工学を専門としていていくらかの知識があったこと、およびたまたま合格基準点が60点ではなく55点だったという奇跡が合わさって基準点ぴったりで合格することに成功しました。あまりにも運が良すぎる…
法規:暗記では乗り切れない強敵
そして、他の資格試験だと法規分野はたいてい法律を適当に覚えればどうにかなるのですが、電験の場合は理論・機械分野に比肩するレベルの計算問題が出題されるため難易度がかなり高く、なんなら計算問題+暗記の合わせ技で一番きつい科目といっても過言ではないです。しかも筆者は「理論」と「電力」に勉強時間をかけすぎたので「法規」の学習は直前詰込み型となり、点数は2番目に低かったです。
3:あまりにショボい免状
で、これが免状。情報処理系の資格試験だと額縁っぽい装飾があったのですがこいつはそんな装飾はなくガチのペラ紙となっています。試験の大変さに比べてあまりにショボい、しかもなぜか本籍表示があるお役所仕様。
正直、電験三種は今まで受験してきた国家資格10個の中で最も苦労しました。そして、その労力に見合う見返りがあるかというと…「電気に関してちょっと詳しくなれた」という利点くらいでしょうか、どうせ電験があったところで給与なんて上がらないでしょうから(たぶんネスペのほうが高収入を狙える、筆者は一応ネスペも持ってるけどネットワークエンジニアにはなりたくない)。
これで筆者の所有している国家資格は合計10個(普通運転免許を入れれば11個)となったので、資格集めは一旦終了としたいと思います。というわけで、次の資格関連の記事は「国家資格10個を携えて就活してみた」となる予定です、乞うご期待!