「カナリー・ギャル」ってダジャレですか?:河合奈保子『Twilight Dream』を聴く
1:気づけはどハマり
小学生の時に昭和歌謡の良さに気づき、初めは幅広く70~80年代の歌謡曲を聴いていた筆者。それがいつしかアイドル歌謡が大半を占めるようになり、そして最近は一日中河合奈保子の曲を聴くという状況に。しかもこの状況が半年くらい続いていて、まあ要はハマってしまったわけです。
というわけで今回は、基本的には試聴してからCDを買う筆者が人生で初めて「ジャケ買い」してしまった河合奈保子のアルバム『Twilight Dream』について語って行こうと思います。
2:人生初「ジャケ買い」
『Twilight Dream』は、河合奈保子の2枚目のアルバム。元々は岡田有希子のCDを買いに行ったんですが、新宿のタワレコでこのジャケットを見たとき「これだ!」と思って即購入。
何というか、この透明感、なかなかの破壊力です。しかも、これはCD化されたものですが当時はLPレコードサイズだったわけで、更にインパクトがあったんじゃないかなー、と想像してみたり。
CDでそこまで再現はされていませんが、当時のレコードはカラー写真レーベルだったようで、盤面にも写真が入っていたようです。この記述を見て「じゃあ盤面全体に写真が印刷されていたのか? だとしたらなんかすごいな。」と思った筆者ですが、実際は中心のレーベル部分だけだったみたいです。てか、そもそもレーベルってレコードの中心に貼ってある紙のことですもんね。レコード世代からは「当たり前だろ」と言われそうですが。まあ、何にせよ写真を前面に推しているわけです。
カラー写真レーベルは再現されていないものの、CD盤面にはレコードっぽい凹凸が付けられ、レーベルもそれっぽく仕上がっていて結構凝った作りになっています。まあ、一度リッピングしたらCDは用済みなんですが。
歌詞カードは原寸大で再現されていますが、その結果思いっきり折り目がついているのがちょっとイマイチ。いっそシングルレコードサイズにしてほしかった。
3:「カナリー・ギャル」ってダジャレですか?
で、今回の本題。ジャケットを眺めていると、帯に気になる一文を発見しました。それが
“カナリー・ギャル” 河合奈保子
調べてみる、デビュー時のキャッチフレーズが「ほほえみさわやか カナリー・ガール」だったようです。で、思ったわけです、「カナリーって何だよ」と。
耳障りのよい英語やフランス語を適当に並べておくというのは昭和歌謡あるあるなので「気にしたら負け」なのかもしれませんし、そもそも「ギャル」ってコンプラ的にアウトだろとか色々言いたくなりますが、何となくいくつかの仮説を立ててみました。
- 英語"Canary"で「女性歌手」という意味
- 「結構女の子らしい」→「かなりギャル」→「カナリー・ギャル」
- 特に意味はない
“Canary"というのはカナリア(鳥)のことですが、スラングで「女性歌手」という意味もあるそうです(リーダーズ 第3版より)。「おっ、ちゃんと意味合ってるじゃん」と思ったわけですが、そうなると「女性歌手ギャル」みたいな訳わからない感じになってしまいます。
次に思いついたのはダジャレ説。これは説明するまでもないです。キャッチコピーなんてこんなもんでしょ(偏見)。まあ、恐らくは特に意味がないのでしょうが、調べても正解はわからなかったので、知ってるよって方は教えてください。
2021/02/28 追記
関西人のノリと勢いで書いたこの記事ですが、Twitterで当時ファンクラブに加入していらっしゃった方から次のようなご意見・情報を頂きました。
- 2dnシングルでは黄色い衣装を着て歌っていたことが多いことや、当時のイメージからも「カナリアのような歌手」という意味ではないか
- ファンクラブ通信のタイトルが「かなりや」であった
私は基本的に音楽を聴くことがメインの「にわかファン」で、あまり映像作品や関連グッズには関りがなかったので(実は最近コロンビアから発売されたDVD BOXが気になっていますが)、「なるほど」と思いました。ネットで調べると確かにファンクラブ通信には(変体少女文字で)「かなりや」と書かれていましたし、この説が正しい気がします。まあ、じゃあどうやったら「カナリヤ」が「カナリー」になるのかと言われそうな気がしますが、そこまでは気にしない方針で。
また、筆者は小学生の時に何年か触って以来SNSから遠ざかっていて、最近になってめっちゃ久しぶりにTwitterアカウントを取り直したのですが、改めて「SNSって凄いな」と思いました。筆者と同年代の人に聞いても「河合奈保子って誰?」と言われるだけですから、こうして当時のファンの方と繋がれることは嬉しいです。
4:Gracenote、まさかのスペルミス
ジャケットを眺めるのはこの辺にしていざリッピング、ということでCDをドライブに突っ込み、GracenoteからCD情報を取得するとなんか違和感が。これ、スペルミスしてない?しかも"L"と"R"を間違えるという日本人あるあるな間違いを。Gracenoteの中の人の英語力が垣間見えちゃってます。
スペルミスは自分で訂正し、早速聴いていきます。1曲目はなぜは波の音から始まります。しかも、9曲目と10曲目の曲間も、10曲目(最後の曲)のアウトロも波の音。別に海とは関係ないのに…と思っていたのですが、ここで第4の仮説を思いつきました。それは
運河(“canal”)をカタカナ読みして、それを適当に文字って「カナリー」
「だから何だ」って話ですが、割とありえそうな気がします。
そして、聴き進めていくと気づきたくなかった事実に気づきます。このアルバムの収録曲10曲のうち3曲(『キャンディ・ラブ』と『17才』、『そしてシークレット』)は既に所有していて、重複購入になるわけです。「損したな~」と思っていたんですが、このCDを聴くと、
同じ曲でも別のリマスター音源を使っていると結構印象が違う
ということを発見しました。その結果、「重複購入には意味がある」とか言い出して、重複購入になる曲が入っているCDでも躊躇なく買うようになりました。そして、出費が増大しました。
曲それぞれについては、私は音楽関係の知識が皆無なので転調がどうだとかここの8分休符がどうとかは言えないんですが、印象に残った曲についてざっくりと感想を述べると
- 3曲目『Mr.パイロット』が意味不明だけどお気に入り
- 4曲目『そしてシークレット』は歌詞を詳しく見れば見るほど意味深
- 7曲目『イチゴタルトはお好き?』が、曲名のインパクトが強い(歌詞はめちゃくちゃベタな感じ)
って感じですかね。どの曲もかなり好みで、現時点で一番のお気に入りのアルバムです。このアルバムは現状タワーレコード限定みたいですが、個人的にはおすすめです。
というか、80年代アイドルのCDっていつまで手に入るんだろう。昭和歌謡ブーム、起きないかな…(ちょっとした流行りにはなっているみたいですが)