共感と反省が同時に襲う一冊:朝井 リョウ『正欲』
キャッチーなタイトルと衝撃の内容
筆者は「なんちゃって進学校」出身であることからスマホが禁止であったため1、中高生のころは登下校中はもちろん授業中も小説を読んでいたのですが、大学生になってからはめっきり本を読む習慣がなくなってしまいました。
そんな中、キャッチーなタイトルとその衝撃的な内容から話題となり、数々の賞を受賞するなど高く評価されている一冊、朝井 リョウ 著『正欲』 を読みました。結果として一人でも多くの人に読んでほしいという気持ちを抱いたので、今更感はありますが簡単な紹介と感想を述べようと思います。
安易な記号化は許さない
タイトルの時点で何となく察しが付くかと思いますが、この本はその内容を一言で表すならば
マイノリティを「マイノリティ」という言葉で片付けない一冊
といったところでしょうか。
こういうとなんか最近話題の問題に乗っかっただけみたいな印象を持たれるかもしれませんが、本書は「ジェンダー」とか「マイノリティ」みたいな言葉で安易に記号化せず、正面からぶつかってくる感じが他とは一線を画すものであると感じました。
同時に、「社会問題を扱いました系」の本ではありながら別に自己啓発書とかではなくあくまで物語であり、物語として見てもハラハラさせられる・続きが気になる面白さがある点も本書が高く評価される理由であると感じました。
共感と反省に同時に襲われる
最後に、この本を読んで最も強く感じたことは
自身は加害者であり、同時に被害者でもあった
ということです。本当は語りたいことが山のようにありますが、ネット上でジェンダー論とか展開してもロクなことにならないのは明らかなので、これ以上はぜひご自身で読んで確かめてみてほしいです。先述のとおり普通の物語として見ても面白いので。
私はまだ表紙に選ばれた写真の意味が理解できていないので2周目に突入しようかと思います。
なんちゃって進学校はスマホ全面禁止、ガチ進学校は授業中にスマホでゲームをしまくる、これが進学校の見分け方です(偏見)。「社会問題を理解してます風」の記事にゴリゴリの偏見ネタを突っ込んでしまった… ↩︎