ネットは1G回線で十分だけどロマンで10Gを引く[enひかりクロスwithおまかせISP]
以前光回線を引こうとしたけど引けなかった話を書きましたが、その後無事光回線を引けるようになったのでついにCATV回線から乗り換えられることに。
10Gなんていらない3つの理由
光ファイバー回線と言えば現在は1Gbps(1000Mbps)の回線がもっとも一般的だと思いますが、最近はより高速な10Gbpsの回線も現実的な価格になっています。一方で、正直なところ10Gbps回線は「家にゲーマーが4人いる」みたいな特殊な環境でない限り一般家庭には不要です。なぜならば
- 100Mbpsもあれば一般的なwebページ閲覧はもちろん4K動画再生も余裕
- 大容量データのダウンロードを行う場合、自宅の回線を10Gbpsにしてもたいていの場合サーバー側の性能や速度制限でそこまで速度が出ない
- 10Gbps対応ルーターやハブはまだまだ高価で選択肢が少なく、明らかにコストに見合わない
実際、すでに100Mbps以上の速度が出ているなら「webページをクリックしてから表示されるまでの時間」の改善は見込めずブラウジングにおける体感上の差を感じられることはないでしょう。また、2の点は意外と忘れがちですが、そもそも通信相手側が1ユーザー当たり1Gbpsを超えるような帯域を用意してくれることはまれで、いくら自分の家の回線速度を速くしても無意味な場合が多々あります。
まとめると、現状では一般家庭に10G回線を導入してもスピードテストでドヤる以外の使い道はないわけです。というわけで…
10G回線+1Gルーター?

10G回線を引きました。ちなみに、こういうLEDを消せない機器の減光には高価なパーマセルテープなんて不要で、3Mの厚手の両面テープが遮光性とはがしやすさの点で最適です。
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そして、10G対応ルーターは高いので、その先に繋がっているのは1GbpsのルーターASUS RT-AX55です。

なぜこんなにもムダな構成にしたのか、その言い訳を並べるついでに筆者が選択したenひかりクロスwithおまかせISPの簡単なレビューと1Gbps対応ルーターで10G回線を使用する場合の注意点をまとめます。
enひかり一択な理由
光ファイバー回線事業者は星の数ほどありますが、使用している光ファイバー網で分類すると
- フレッツ系
- 電力事業者系
- nuro
以上3つに分類できます。このうちどれがよいかと聞かれると、個人的にはコスパがよい電力系がおススメなのですが、残念ながら首都圏では電力系ファイバーはありません。また、nuroは専用ルーター使用が強制されたり、工事期間がかなり長いという噂があったりとなんか微妙なので首都圏ならフレッツ系一択になります。
フレッツ系はNTTに直接申し込む方法と、フレッツのファイバーを借りて運営している光コラボレーション事業者に申し込む方法の2つがあります。筆者ははじめは「NTT直申し込みが一択でしょ」と思っていたのですが、株式会社縁人が提供する光コラボのenひかりがよいとの噂をネット上で観測しました。
インターネット回線事業者って「ロクでもないやつ」が多いイメージで、某回線事業者に電話口で「10G(テンジー)回線が使いたくて…」と話したら「て、てんじー…え、あっ…」みたいな反応だったことがあります。また、不要なサービスをバンドルさせようとしてくるイメージも強いです。
一方でenひかりはわかっている感があり、話が非常にスムーズでした。変なサービスをバンドルさせようとしてくることもなかったですし、これでいて料金は最安水準ですからもはやenひかり一択ですね。
v6プラスかDS-Liteか

enひかりの10G回線であるenひかりクロスでは、接続方式でv6プラスかDS-Liteかを選択する必要があります。この時点でなかなか「オタク向きだな」という印象が強いですが、特にこだわりがなければ対応ルーターの多いv6プラスを選んでおけばよいと思います(「enひかりクロス光回線」を選ぶとプロバイダは別で契約する必要があるので注意)。
筆者は肩書上はネットワークスペシャリストですが、正直なところぜんぜん理解できません。ざっと調べた限りでは
- v6プラス(MAP-E)は共通のIPv4アドレスを複数契約者に配る。結果、グローバルIPは降ってくるけど使えるポートに制限がある
- DS-LiteはいわゆるキャリアグレードNATで、配られるのはプライベートアドレス
という違いのようです。ポート開放とかポートの枯渇とかを考え始めると違いがあるようですが、とりあえず従来通りグローバルIPが降ってくるv6プラスにしておけばよさそうです。
ここで、もう1つの選択肢「enひかりクロス with お任せISP」があります。これはv6プラスかDS-Liteか、ユーザーが選択できないプランですが、電話で確認したところ現時点ではv6プラスが選ばれる(今後はわからない) とのことだったので筆者はこれを選びました。筆者が現在使用しているルーターはDS-Lite非対応ですが、どうせ10G非対応なので今後切り替えがあったら買い替えればいいやという判断です(切り替えは事前に通知してくれる)。
DHCPv6-PDの落とし穴

今回、筆者宅はすでに宅内に光コンセントが設置されていたので、無派遣工事(光コンセントに自分で刺すだけ)で設置が完了しました。送られてきた光ファイバーケーブルは5mの長さがあったので無事デスクまでファイバーを引くことができました。

10G回線はIPoEなので、PPPoEのようにIDとパスワードを入力して認証を通す必要はありません。基本的にルーターのWAN設定でv6プラスを指定するだけで繋がる…はずなんですが「WAN側のDHCPが正しく動作していない」旨のエラーメッセージが表示されて接続できませんでした。

ググってみると、どうやら10G回線ではDHCPv6-PD(ISP側からIPv6プレフィックスを受け取ってルーターが配下の機器にDHCPでIPv6アドレスを配る機能)を有効にする必要があるようです。ここで、ASUS RT-AX55ルーターではv6プラスの場合はIPv6設定をパススルーにするよう推奨されますが、このメッセージを無視してネイティブに変更したうえでDHCP-PDを有効にすることで無事プレフィックスを取得し、インターネットに接続できました。

これは10G回線を想定していないルーターに10G回線を接続したことが原因であり、きちんとフレッツの10G回線が想定されているルーターであれば自動で設定されると思います。なお、利用可能ポート番号はASUSのルーターではIPv6のログに表示されていました。これがv6プラスのポート制限ですね。
10G回線の体感
100Mbpsとなんもかわらん
これは日本により高速な回線を普及させることを目的とした未来への投資であり、決して無駄遣いではない!!