現役県道にレンガ造りトンネル:相坂トンネル
1:「トンネル」ではなく「隧道」
皆さんは「隧道」という言葉をご存じでしょうか。まあ、単に「トンネル」の昔の言い方ですが、現代では非常に古く、それっぽい雰囲気を持つトンネルが隧道と呼ばれることが多いようです。私はチャリで山道に突入していくことが趣味なこともあり、前々から「隧道と呼ぶにふさわしいようなトンネルに行ってみたい」と思っていましたが、兵庫県に良さげなのがあることを発見。しかも旧道とかではなく現役県道にあるとのこと。そこで、ママチャリを飛ばして行ってきました。場所は兵庫県姫路市香寺町の県道80号上で、最寄りの香呂駅からは3kmほど。アクセスは良くないです。
2:やっぱ短い
私は香呂駅側から向かいました。「県道」ではありますが途中にある乗馬クラブを過ぎたあたりからこんな感じで結構不安な感じの道になります。この不安な感じの道をしばらく進むと高さ制限の看板が出現しますが、カーブでトンネルは見えないので「お、そろそろだな」と焦らしてきます。そして、カーブを曲がると…
おおッ、短っ!
昨今は長大なトンネルが当たり前なので、長さ76mはとても短く感じます。しかしながら、レンガ造りで扁額も重厚な作りで見ごたえ十分です。
こんなレンガ造りのトンネルが当たり前のように残っていることが驚きです。何よりもこれが現役県道にあるという点がすごいです。
扁額には右から左に「相坂隧道」と書かれています。意匠もかなり凝っています。
向うが見える長さですし、照明もついているのでそこまで不気味ではないです。
3:「キノコ生えてんじゃん」
洞内はジメジメしていて、正直不快です。壁からキノコが出ていることからも湿度の高さが伺えます。「洞内はひんやりしていて夏でも快適」とかそういうわけではなかったです。
また、レベルの低すぎる落書きが多数あります。もう少し別のこと書けよ…
トンネル手前には説明の看板があり、詳細が書いてあります。それによれば
- 大正8年工事開始、大正10年完成
- 長さ76m、幅約2.45m、高さ2.9m
- 総工費約2万円
2万円は企業物価指数で換算すれば1000万円くらいになりますが、合っているのかはよく分かりません。ちょっと少なすぎるような…
5:トンネルの将来
ちなみに、このトンネルを超えた先は2車線化されており、トンネルの将来が心配です。てか、トンネルは狭いのにどうするつもりなんだ…
この後、この先にある毘沙門堂と手前の八葉寺にも訪れたのですが、その辺は(やる気になれば)別記事で書きます。