タクテク2
昭和歌謡好き大学院生の雑記

思い付きの中国旅行-ビザ取得から始まる初海外

初海外で中国・成都

「学生のうちに一度くらい海外に行っとかないとな」、そんなことを考えながらも筆者は行動力皆無なので気づけば卒業年度に。そんな折、同じ研究室のメンバーが中国に出張に行くということで「じゃあ俺も行くわ」という訳の分からない理由で中国・成都に行ってきました。というわけで、ビザ取得から中国の印象まで、初海外旅行の記録をまとめます。

ビザセンターで一足お先に感じる「中国」

中国は2024年現在、日本とのビザ免除措置を停止しているのでまずはビザを取得する必要があります。その前にそもそも私はパスポートすら持っていないので渡航の約2か月前から準備を開始することに。まさか初めての海外旅行でビザ取得が必要になるとは思いませんでした…

パスポートを取得し、航空券や宿泊場所の手配を完了したのち(観光(L)ビザなので航空券や宿泊場所の情報が必要)、まずは中国ビザセンターのHPで申請書を作成します。今確認したらHPのデザインが改善されていますが、私が利用したときはもっと古風なデザインでした。

申請書作成は特にトラブルはありませんでした、 写真の背景が白色でないといけないのは面倒でしたが。まあ、その辺にある証明写真機の「背景を選べるちょっと高いプラン」を選び、データで出力すればOKです。

そして、作成した申請書と航空券等の書類、印刷した写真(データだけじゃNG)やパスポートを持ってビザセンターに向かいます。口コミでは「めっちゃ混んでる」と見かけましたが平日昼間に訪問したためか混雑状況はそれほどでもありませんでした。

ビザセンターの職員は当然中国の人ですが、日本語が通じるのでその点は安心です。ただ、センター内を見渡した感じでは中国に家族がいる人仕事で訪問する人がほとんどの印象でした。まあ、わざわざビザを取ってまで観光に行く日本人は少ないですよね。

そして、「書類もちゃんと揃っているから大丈夫だろう」と思っていたのですが…

という、なんかどっちが悪いのかよくわからない事態が発生したので結局1時間以上かかりました。手続き自体はそんなに時間がかからなかったですが、私がホテルの住所のメモを忘れ、それを調べている間にずっと職員がダルそうにペン回しをしていたのが印象的でした。

受け取りは後日なので数日後に再び訪問、センター内にある申請書類作成用PCで子供がピンボールをやっていたのがフリーダムで中国を感じました。この時はGW前でかなり混雑していましたが30分くらいで完了。ビザはパスポートに貼り付け済みの状態で渡されますが、傾かずに貼られていて感動しました(失礼)。申請費用は7750円、正直内容の割に高いです。

航空機遅延(往路)

羽田空港第3ターミナル
羽田空港T3

(復路も遅延することを匂わせていますが)日本から成都に行くには一度乗り継ぎを行う必要があります。今回は中国国際航空の羽田空港発・北京首都国際空港乗り継ぎ便を選択。中国のフラッグ・キャリアなので安心していたのですが、なぜか羽田空港出発が1時間以上遅延し、しかも入国審査が混雑していたこともあり乗り継ぎ便に乗れなくなりました。次の便に自動的に変更されましたが結局遅延の原因は不明、私がホテルの住所を間違えるというミスをしたことも重なり、羽田空港を昼過ぎに出発して最終的にホテルに到着した時間は深夜2時頃でした。訪問したのは5月ですが、昼間の気温は30度越え。しかし、日本と比べて湿度が低いためそこまで暑くはなかったです。

とりあえず成都大熊猫繁育研究基地へ

成都大熊猫繁育研究基地 オブジェ
何となく中国を感じるデザイン

成都と言えば、というより中国といえばパンダということで、2日目は成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地へ。なお、この施設は予めWeChat等でチケットを購入しておく必要がありますが、その購入には中国の電話番号が必要でした。今回は研究室内の中国人留学生の助けがあったから予約できましたが、日本語公式サイトもある割にはそれ以外の予約方法はないようなのでツアー以外で行く外国人はほぼいないんでしょうね…

成都大熊猫繁育研究基地 パンダ

成都大熊猫繁育研究基地の印象としては広大な敷地内にパンダが点在している、そんな感じでした。気温が高いことから外に出ているパンダはおらず、やけに反射して見づらいガラス越しでしか見ることができませんでした。「せめて反射を抑える工夫をすればいいのに」とか、「これがレンタル料数億円か…」とか思いながら施設を歩きました。

施設内フードコート

パンダの印象は微妙でしたが、施設内フードコートで食べた名称のよくわからない麺料理は「さすが本場」という味でなかなかよかったです。ちなみに価格は観光地価格で高めですがそれでも700円くらい。

ショップ 看板
本場で見る「中華フォント日本語」

その後、園内の土産物店へ。園内の多くの看板には日本語も書かれていますが園内に外国人の姿は見られませんでした。ビザ免除があったころはもっと多かったんでしょうか…

パンダ ぬいぐるみ

筆者はぬいぐるみを集めるのが趣味なのでパンダのぬいぐるみを購入。「中国製を現地購入」の割には3000円くらいして結構高かったけどクオリティは高かったのでまあヨシとしましょう。

寛窄巷子
10年前のカメラでもまだ戦える!

その後は、Kuanzhai Alleyをぶらついたりして2日目は終了。

高速鉄道より高いエスカレーター

成都国際金融中心 パンダ
どこにでもいるパンダ

3日目は作業しないといけないことがあったので、主に成都市街をぶらつくのみで終了。「成都国際金融中心」とかいう資本主義の塊みたいな場所をうろつきました。

4日目は他のメンバーとは別に、一人で高速鉄道(成灌線)に乗って都江堰へ。都江堰は世界遺産にも登録されている古代の灌漑設備であり、2000年以上が経過した今も稼働しているという点が特徴です。

飛砂堰 説明
中国語+ハングル+日本語の珍しい組み合わせ

この施設も入場にはWeChatアプリでのチケット購入が必要で、やはり中国の電話番号を要求されました。また、なぜか入場時にアプリが使用できなくなったのですがパスポートで入場できました。

秦堰楼から魚嘴を望む
秦堰楼から魚嘴を望む

都江堰は世界遺産というだけあって、中国の自然や古い建築物、さらには遠くに成都市街を望むことができ、なかなかいい場所でした。

秦堰楼から成都市街を望む
秦堰楼から成都市街を望む

この広大な土地は日本ではなかなか見られないですよね。

秦堰楼

ちなみに、さっきの写真はこの秦堰楼(山の上に建っている展望タワー)から撮影していて、ここまでは徒歩あるいはエスカレーターで登れるのですが…

エスカレーター

そのエスカレーターが確か20元くらい、一方で成都市街から都江堰までの高速鉄道が12元。これは高速鉄道が安いのか、エスカレーターが高いのか…(たぶん鉄道が日本に比べて圧倒的に安い)

都江堰 景観

これは私のお気に入りの一枚、どこから何を撮影したかは忘れましたが。

鍵

中国にもその文化あるんだ、というか別に日本発祥ではないか。

階段 看板

あと、個人的に面白かったのはめちゃくちゃな英語表記ですね。その中でもトップクラスなのがこの秦堰楼の階段での注意書き、何をどう翻訳したら上り階段がThus onになるのか、永遠の謎です。

Downhill 看板

ダウンヒルってそれはスポーツかなんだだろ…

「飛行機、明日のやつに変えといたから」(唐突)

フグ
フグ(迫真)

5日目は現地の大学を訪問していたので再び成都市街をぶらつくくらいで終了。

そして、6日目の朝に成都双流国際空港に向かい、日本に向けて出発。そして、ここでも当然のごとく飛行機が遅延。しかも、北京首都国際空港での乗り継ぎ便が最終便であったため、メールで「明日の朝一の便に変えといたから」とだけ送られてきました。宿泊場所はおろか、バウチャーすらなし。幸い、英語が堪能なメンバーがいたため中国国際航空のカウンターで事情を説明。さんざんたらい回しにされた挙句、突然「こっち来い」みたいな感じでバスに乗せられました。

そして連れてこられたのがこのホテル。

余力がなかったので写真はありませんが、このホテルの「古い方の棟」に案内されました。まず入り口や廊下が薄暗い時点で察していましたが、「なるほどな~」という感じの部屋でした。というわけで薄暗い部屋で一泊し、翌日の朝4:30にフロントからの電話で起こされてバスで北京首都国際空港に向かい、+1日で無事日本に帰国しました。

感想や学んだこと

ココナッツ飲料
どこぞのネットメディアで取り上げられてた飲料

章タイトルがなんか小学校で出される課題みたいになりましたが、最後に今回の旅行で感じた中国の印象や旅行に行く際に役立つ情報をまとめます。

通信環境について(Google遮断・ローミング)

まず、中国での携帯電話回線の確保ですが、私は現地SIMやモバイルルーターではなく、普段使用しているキャリアの国際ローミングサービス(DoCoMo 世界そのままギガ)を使用しました。国際ローミングといえば一昔前までクッソ高いイメージがありましたが、1週間・データ使い放題で5000円程度、しかも普段使っているSIMのまま、ローミング設定をONにするだけでそのまま使えるので、格安SIMでなければそのキャリアのローミングサービスを使うのがいいでしょう。

また、中国と言えばGFWによるGoogle遮断が有名ですが、これはローミングを使うと普通にGoogleを使えるうえにVPNサービスについても普通のL2TP VPNやSSL VPNが現地回線で問題なく使えたので正直ザルです。ただし、Googleの地図や検索は情報量の観点から使い物にならないので百度の利用は必須です。私は地図は高德地图アプリをインストールして使用していました。

現地での決済について

現地での支払いは、よく言われている通りすべてWeChatで払えると考えてOKでした。実際、私はこの滞在中に一度も現金を使用しませんでした。WeChatアプリは日本語にも対応していますし、一般的なクレジットカードも紐づけできるので渡航前に設定しておけば現地での決済は心配いらないでしょう。なお、私はカードで外貨決済するとレートが悪いので研究室内の日本円が欲しい中国人の学生に日本円を渡し、WeChatで人民元を送ってもらうことで通常より良いレートで人民元を入手しました。

ただし、先述の通りWeChatのサービスの中には現地の電話番号を要求されるものが多いので、正直なところ中国人の知り合いがいないと観光は難しいのが現実だと思います。

治安や街の様子について

私は今回、都市部にしかいなかったのでこれは非常に限られた地域を見た意見でしかありませんが、治安については日本と同等かそれ以上に感じました。街には非常に多数の防犯カメラが設置されていますし、鉄道に乗る際は(適当ではありますが)手荷物検査があり、何といっても夜に街に出ても酔っぱらっている人がいないので、治安は日本以上と言えるでしょう。

街の利便性や清潔さについては、日本よりは劣るけどまあ許容範囲な感じでした。タバコはお構いなしにポイ捨てするけどペットボトルとかは落ちていない・コンビニやATMは少ないけどその辺に「超市」と書かれたコンビニサイズのスーパーがある・駅は日本よりきれい、そんな感じ。というか、めっちゃタバコを吸っている人が多かったです。

ただし、交通についてはなかなかChaosなので注意が必要です。赤信号や制限速度という概念はないものと考えましょう。あと、朝は街に鳴り響くクラクションの音で起こされます。

言語について

今回のメンバーは全員中国語を話せない状況だったので、私は約1か月、付け焼刃の中国語学習をしてから出発しました。

もちろん、そんなもんで話せるようにはならないのですが、数字がわかるだけでも割と役に立ちました。なぜなら、事前情報の通り中国国内では英語は日本以上に通じないからです。どの程度かというと、One,Two,ThreeはおろはA,B,Cすら怪しいレベルでした。

しかしながら、(小さい店を含め)ほとんどの料理店(饭馆)ではWeChatのミニアプリで注文・決済できるので言語がわからなくても便利でした。この辺はさすが中国という感じでした。

なお、日本人は予想通り現地人だと思われるのでいきなり中国語で話しかけられます。そして中国語がわかなないと相手が理解したとしても中国語で話しかけられ続けることがしばしありました。しかしながら、改めて考えると私を含め多くの日本人は英語で話しかけられた際に「英語力が不足していてすみません」と感じるかと思いますが、別に自分の国の言語なんだから頑張って合わせるべきは観光客側である、というのは当たり前なのかもしれません。流石に明らかに理解していないのに中国語で話しかけ続けるのはどうかと思いますが。

中国という国への印象

最後に、1週間中国を旅行して感じた国に対する印象をまとめます。

まず、中国での「居心地」ですが、私は住みたくはないけど観光で行く分には非常に居心地がいいと感じました。観光客に対する扱いは日本ほどのホスピタリティはなくとも十分親切にしてくれる人が多かったですし、何より日本のように過剰なまでのホスピタリティがない分気を使いすぎなくて居心地がいいと感じました。列には平気で割り込まれますが、だからこそ細かい礼儀作法を考えなくていいので気楽でした。

さすが本場なだけあって料理は非常によかったですし、物価も(極端ではないけど)日本より安いので、私としてはもう一度行ってみたいと感じる国でした。なお、同行したメンバーの一部はそうでもなかったようですが…

次に、中国の技術力について。ネット上ではよく「中国すげぇ、日本はオワコン」とか「いや、実は日本のほうが上だ」みたいな不毛な論争がよく行われますが、この点については技術レベルは知りませんが、やはり中国の「強さ」を感じましたね。

光接続ボックス
開きっぱの光接続箱

WeChatはじめ究極的に「ガラパゴス化」しているわけですがそれでも事業としては十分すぎるだけの圧倒的な国内需要、すべてがWeChat(と身分証)に集約され完結しているがうえの利便性、そして完璧を要求しないがゆえのスピード感、正直これは勝てないなと思いました。頼むから日本もすべてマイナンバーカードに集約してくれ…

というわけで、次はHSKの勉強でもしようかと思います。

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