Gen4 SSDをGen3で使う[ADATA LEGEND 960 MAX]
1:夢のTBストレージ
筆者はこれまで生涯のデータを全て合わせても256GBくらいだったのでメインPCのストレージは
- OS用にSamsung 970 EVO Plus (Gen3, 256GB)
- データ用に昔のノートPCから引っこ抜いたSamsungのM.2 SSD(SATA3,128GB)
この2本で十分足りていたんですが、無駄にCDをFLACでエンコードしたり、写真をRAWで撮り始めたりしてからストレージ不足気味に。そこでデータ用に使っているM.2だけどSATA3であんまり速くないストレージを入れ替えようと思いました。
で、まあ1TBもあれば足りるだろうということで購入したのがこれ。
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こいつはPCIe Gen4対応のSSDで、シーケンシャルリード/ライトが7400/6000[MB/s]とGen4 SSDトップクラスのスピードを誇り、さらにヒートシンクが付属しつつも実売価格が1TBで1万円以下ということで選定しました。特に高速SSDにヒートシンクは必須ですが、ヒートシンク単体で買うと割高なのでヒートシンク付属はありがたいです。しかもデザインも統一感があっていい。
また、筆者が使用しているマザボはM.2スロットが2本だけなので、こちらのM.2→PCIe変換アダプタも購入。こちらは非常に価格が安いうえにSATA接続のM.2 SSDも使えるというアイデア商品です。
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2:トラブル続きのSSD換装
今回換装するのは128GBしかないデータ用ストレージなので、換装は簡単だろうということで夕食前に呑気に作業を始めた筆者ですが…
まず、このSSDはヒートシンク付属なのはいいものの自分で組み立てる必要があるんですよね。そして手順書なんてものは存在しないのが流石は海外製品。テープの剥離紙を剥がして乗せるだけ、なんですが両面テープが無駄に強力で一度ズレると修正が困難な代物。私は一度ズレて地獄を見ました。
ちなみに、なんかADATAはかつて初期ロットだけいいコントローラを使った製品を出荷し、大手レビューが出揃った後に安物に変更するということをやったらしいですが、大手レビュー記事の画像と比べてもDRAMキャッシュがSKhynixからSamsungに変わっているくらいで特に問題はなかったです。
ズレて貼り付いた両面テープを慎重に剥がし、なんとか組み立てが完了。黒に金色のアクセントでいかにもハイエンドな感じでデザインは悪くないです。というわけでPCIeアダプタに挿してデータ移行をしていきま…
あっ…、えー、終了です。この変換ボードは中央にちょっと背の高いセラコンが載っているのですが、このSSDはヒートシンクのせいで一般的なM.2 SSDより一回り大きくなっているので思いっきりセラコンに干渉して取り付けることができません。
仕方がないのでOSが入っているドライブと一時的に入れ替えることに。ちなみに、この変換ボードの固定ねじがSSD本体をねじで固定せず、スタンドオフを押し当てて固定するという見たことないタイプで迷いました。
新しいSSDは「マッチョ」ことLE GRAND MACHO RT CPUクーラーの下に無理やり押し込みました。巨大CPUクーラーのせいでねじ止めは困難を極めました。
SSDのクローンはADATAの専用ツールが無料で提供されているので、これを使えば簡単…と言いたいところなんですが、なぜかこのツールを使うとランダムリードのベンチ結果が1/10くらいに低下するという問題が発生したので普通にコピペしました。アロケーションサイズがおかしくなったのかと思ったんですが、そういうわけでもなかったので原因は結局不明なままです。
3:Gen4 SSDを買った理由
それでは、皆さんお待ちかね?のCrystalDiskMarkを回していきましょう…と行きたいところですが、一つ注意点があります。タイトルでお気づきかと思いますが私のPCは第9世代Core i7、つまりPCIe Gen3です。つまり、Gen4 SSDを取り付けてもその性能を生かしきることはできません。
じゃあなんでGen4 SSDを買ったのかと言うと、(異論はあると思いますが)SSDなんて普通に10年くらいは使うわけです。そして、ここでGen3 SSDを買うと次回のPC入れ替え時にSSDも買い替えたくなっちゃうと思うんです。でも、ここでGen4最速クラスのSSDを買っておけば次回のPC入れ替え時にこれをそのままデータ用に使い、OSドライブだけその時の最新のやつに買い替えれば満足できるからトータルコストは安いと判断したのでGen4を買いました。そもそもそんなにストレージ性能が要求されるようなPCの使い方をしないので無意味ではありますが、ついついカタログスペックを追ってしまうのがオタクの性ですから…
さて、前口上はこの辺にしてGen4 SSDをGen3に挿すとどうなるのか確認していきましょう。比較対象としてこちらはGen3 SSDのSamsung 970EVO PLUS。シーケンシャルリードはほぼGen3の理論値が出ていることがわかりますが、それ以外はバス速度よりも遅くなっていることがわかります。
そして、こちらがLEGEND 960 MAX。Gen3の限界によってシーケンシャル性能はカタログスペックと比較して大きく低下してしまっているのがわかりますが、特に注目してほしいのがランダムリード性能がGen3の理論値に達している点。ついついシーケンシャルに注目してしまいがちですが、実使用ではランダムリードが多いわけですからこれはなかなかいいですね。
ちなみに、SATA3 SSDの速度はこんな感じ。今やこれが遅く感じてしまいます。まあ、試しにMatlabを新しいSSDに移行してみて起動速度を測ったりしたんですが結果は変わらず、体感速度はもはやどれも一緒なんですがね!
というわけで、Gen4 SSDをGen3のマザボに挿した結果、確かにベンチ性能は上がるけど筆者の環境では体感速度は何も変わらなかったという話でした。いちおうベンチ上でのランダム性能は大幅に向上しましたし、何よりついにTBストレージを手に入れたので無駄ではないと信じていますが、まあ後は耐久性ですね。
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