包丁を研ぐ必要性を、顕微鏡で検証する。
1:包丁、研いでますか?
一人暮らしを始めて約3年。自炊は完全に飽きましたが、その中でいろいろな発見がありました。例えば包丁は定期的に研ぐべきだということ。これまで包丁研ぎといえば「高級な包丁を使っている料理オタク」か「意識高い系の人」にしか必要ないと思っていました。
しかしながら、筆者のような別に高級じゃない包丁+「乱切り」以外の切り方はできないという状況でも包丁を研ぐと明らかに切れ味が変わることに気づきました。この感動を多くの人に共有したい、だけど「切れ味」なんていう感覚的なものをHTMLで伝えるのは難しい、というわけで…
2:「透過型」としても使えるハンディ顕微鏡
Amazonで顕微鏡を買いました。これを使って包丁を研ぐと刃先がどのように変わるのかを客観的に検証していきたいと思いますが、まずはこの顕微鏡を軽く紹介。
レイメイ藤井 顕微鏡 ハンディ顕微鏡DX グレー RXT300N 新品価格 |
今回購入した顕微鏡は文具メーカーでおなじみのレイメイ藤井が販売している、ポケットサイズの簡易的なもの。実売2000円程度と低価格にもかかわらず、競合製品と比較して高機能なのでこれを選びました。ちなみに倍率は100倍~250倍。
まず特徴的なのは透過型顕微鏡としても使える点。ふつう、こういう形の顕微鏡は上から光を当てて試料を観察することしかできないもの(落射型、というらしい)がほとんどですが、
この顕微鏡は前面に付いているフタを開け閉めすることで透過型と落射型を切り替えられます。どういうことかというと、フタを閉めるとこんな感じでちょっと隙間ができます。
この隙間に試料を差し込めばフタが導光板となり、試料の下から光を照らせるわけです。
「そんな上手いこと行くわけないだろ」とか思っていたんですが、これが意外といい感じなんですよね。付属のプレパラート(タマネギの皮)を見てみると細胞壁と核がしっかりと確認できます。ただ、レンズの性能はそんなに良くないので色収差が大きく、別に見やすくはないのも事実です。
そして、この顕微鏡を選んだ最も大きな理由、それはスマホ撮影用のアダプターがついていることです。といってもこんな感じで単なるクリップが入っていて…
それを使ってスマホと無理やり接続するだけですが。スマホを常に手で持っておかないといけないので操作性は非常に悪いです。
また、ちゃんとスマホを固定していないとレンズとの位置がずれます。まあ、このブログ記事のためにちょっと写真を撮るくらいならそんなにストレスは感じなかったですが。
それと、なぜかUVライトが付いています。「UVライトに反応するものを照らしてみよう」ということらしいですが、今のところそんなものは1つも見つかっていません。
3:意外と多い刃こぼれ
なんか顕微鏡の紹介を長々としてしまいましたが、本題である包丁の刃先を観察してみます。まずは研ぐ前から。筆者はせいぜい野菜くらいしか切らないので肉眼で見た感じは刃は非常にきれいでしたが、顕微鏡で観察してみるとこんな感じで刃が欠けている箇所が結構ありました。
**見事な「刃こぼれ」**を起こしている箇所もちらほら。
というわけで、包丁研ぎ器の出番です。筆者が使っている包丁研ぎ器はヘンケルスブランドのもの。これを選んだ理由は「何となく」です。
Henckels ヘンケルス 「 HI 包丁研ぎ器 」 シャープナー 【日本正規販売品】 11299-004 新品価格 |
左手で包丁研ぎ器を押さえ、スロット部分に包丁を挿入→手前に引くだけで簡単に包丁を研ぐことができます。
まあ、特別この研ぎ器が優れているのかどうかはよくわかりませんが、少なくとも吸盤で固定するタイプのやつよりかは便利です。吸盤タイプ(「クレバーシャープ」とかいう、通販っぽいネーミングのやつ)も使ったことがありますが、吸盤だと使用場所が限られるので。ただ、取っ手が大きい分保管時に場所をとるので少しでも小さいほうがいいという人には吸盤タイプが向いているかも。
で、研いだ後の刃先がこんな感じ。さっきの写真と同じ場所じゃないので厳密な比較はできませんが真っ直ぐになりました。
一部ゆがんでいる部分も残っていましたが、先ほどのような明確に欠けている部分はなくなりました。やっぱ包丁を研ぐと切れ味が向上するのは気のせいではなかったようです。
というわけで、包丁はちゃんと研ぎましょうという話と、ポータブル顕微鏡は意外と使えるよっていう話でした。
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